輝きをもとめて

 2月4日、学生組は2月11日に行われる2008年度卒業/修了研究・制作展開会式での演奏のための仕上げの段階に入っていました。演奏曲のサバンナは、曲の始まりに奏者全員の音が一斉に合うところがあります。それについて、音は合っていて良くなってきていたのですが、どこか“輝き”がないように感じられたのです。

 そこで、その“輝き”が出るにはどうしたらよいか、例えば、ぼーっと見ている人でもはっとするような瞬間を作り出せないかということで、表現を工夫してみることにしたのです。まず、音が合う瞬間に顔をあげてみるということを試しました。姿勢の変化は見えましたが、“輝き”という言葉はあまり当てはまらないようでした。その後、幸せな時の顔やうれしい時の顔など、どんな表情がいいかといろいろ試してやってみたところ、「フラッシュが光るような、ぱっとした感じ」という表現が、求めている“輝き”に近いような感じがしました。さらに、「ドン」と皆の音を合わせたい、または、こんな音にしたいなど何かに向かっていく姿でやってみようと話すとさらに印象にのこる“輝き”に変わっていくのが分かりました。

 “輝き”と言ってすぐにぱっと光る事が出来るわけではありません。霧の向こうに見えるような、でもすぐに消えてしまうようなものを掴むためのこうした試行錯誤は、もどかしくも楽しいものであると感じさせられました。